印刷通販サイトの上手な使い方について(シール・ラベル・ステッカー)
最近よくプリントパックさんやラクスルさんに代表される印刷通販サイトをご利用になったお客様から、
「仕上がったラベルの色が想像と違っていた」
「商品に貼ってみたら浮き剥がれてしまった」
「すぐに色褪せてしまった」
などのお問い合わせが多く寄せられています。
そこで、印刷通販サイトで発注した方が良いケースとそうでないケースについて専門業者の視点からまとめてみたいと思います。今ご発注を検討されているシール・ラベル・ステッカーがおありでしたら是非ご一読頂き、お役に立てて頂けますと幸いです。
このページでご紹介している内容
印刷通販サイトのメリットについて
印刷通販はどんな人に向いているかというと、ズバリ「安さと早さ」を求める方にこそ向いています。実際にコストについて試算してみましたが、この安さは当社の御見積ではご提供できない価格設定になっています。
納期については、最安値の設定であれば7営業日で出荷なので当社とあまり変わりませんが、
実はお金次第で最短2営業日で出荷できるようです。※プリントパックさんの場合
正直に申し上げて、このコストと納期対応は凄いです。
ちょっと当社では実現不可能な価格ですし、2営業日での出荷についてもちょっと難しいです。どうしても早く必要な場合や、新商品などでコストを出来る限り抑えたい場合、印刷通販サイトはとても便利で有用と言えるでしょう。
印刷通販サイトでシールをつくる難しさ
印刷通販サイトの多くは、基本的に
サイズ/形状/素材/色数/枚数/納期
を選ぶと簡単に金額が出てきてそのまま発注できるのですが、貼り付ける場所や用途についての詳細な選択肢は与えられていないことが多いのです。
今回は、当社に寄せられている多くのトラブルの元になりがちな注意しておいた方が良いポイントについてご紹介していきます。
裏を返せば、以下の点のリスクに気をつけて問題ない条件であれば印刷通販でシールを作れば
「思ってたのと違う」という事態は避けられやすいです。
1.素材について
印刷通販サイトの多くでは、まず素材と粘着タイプを入力することになります。大きく分けて「紙系」と「フィルム系」になっていることが多いです。
「紙系」では、上質/アート紙/ツヤ紙といった選択肢が一般的で、「フィルム系」では合成紙/塩ビのどちらかを選択。表面保護としてラミネートするかどうかを選ぶくらいで終わることがほとんどです。
ここで注意すべきは、実はシールの材料はもっと幅広く多数の選択肢があるということ。
「紙系」には和紙やホイル紙(折り紙でいう銀紙みたいな質感のもの)、クラフト紙といった様々な材料があり、それぞれ質感も性質も性能も異なります。
よく紙系素材+ラミネートという組み合わせを推奨されることが多いのですが、食品のシールなどでは冷蔵環境で結露して浮き剥がれた、紙のシールがふやけてラミネートが浮き剥がれたといったトラブルも多く聞かれます。
「フィルム系」については選択肢がより多彩になり、合成紙(ユポ)/PET(透明/白)/PP/塩ビ/オレフィン…と用途によって様々な素材を選定可能になります。
それぞれ違う特性があり、こここそ専門家である我々シール印刷業者に「どんな用途で使うものなのか」をベースに相談いただきたいポイントになります。
従来のフィルム製品だけでも相当に多彩な選択肢がある上、環境に配慮した再生PET(メカニカルリサイクルPET)や、粘着剤に環境配慮材料を用いたものまで幅広くご提案可能です。
2.粘着タイプについて
こちらについては、常温で水濡れもせず紙や箱、封筒などに貼る用途の場合は読み飛ばして頂いてOKです。
意外に思われるかもしれませんが、剥がれて欲しくないから「強粘着」選んで一安心。というわけではありません。シールの粘着剤は貼り付け用途によって実に多彩な種類があります。
※詳細は九州シール印刷協同組合青年部さんが上手くまとめているコチラをどうぞ。
粘着剤は大きく分けて「水溶性」と「溶剤性」の2種類に分別されます。
そして、それぞれ常温仕様想定のもの、冷凍対応のもの、ちょっとザラついた面でも貼れるもの、濡れた面にも貼れるもの、油膜があっても貼れるもの…といったように非常に細かく使用用途ごとに設定がなされています。