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「デザインにひきだし50」〜No.1 特別号への招待状編〜


「デザインのひきだし49号」の表紙と付録サンプル3点を製作し、多くのデザイナーや印刷会社の方から多数反響を頂きました!!


\\ ありがとうございます!! //


反響を頂く度、社員一同歓喜しておりました!!
デザインのひきだしも次号はいよいよ記念すべき50号。イチ読者として、どんな内容になるのだろうと胸を膨らませていると、編集長から一通のメールが・・・



「『デザインのひきだし49』の表紙と実物サンプル、本当にどうもありがとうございました。重ねてのお願いごとで恐縮ですが、本日は、『デザインのひきだし』創刊50記念特別号の企画ご参加ご検討のお願いにてご連絡をいたしました。」


(記念すべき50号にまさかのオファー!!!編集長あざまっす!!!)



「次の「デザインのひきだし50」では、記念特別号にふさわしい企画として「あなたの会社の一番得意な印刷加工を教えてください!現代日本の印刷加工大全」という特集を考えております。」


(49号の表紙に引き続き…なんという重たいテーマを…)



「それぞれの会社の『これぞ自社の印刷加工だ!』という一番得意な/自慢の印刷加工をしていただき、その実物見本を綴じ込むという企画です。」


(こんなのスベったら記念号だけにずっと残るやつやん…)



50号という大きな節目を飾れるチャンスに、社長以下全員喜びが大爆発したのも束の間。。。

どんな技術を紹介すべきか。打ち合わせが始まると途端にプレッシャーからか皆が貝のように口を閉ざしてしまった。。。


当社が得意とする技術は「シール・ラベルの高精度オフセット印刷」「箔押し」「複合抜き加工」と幅広い。それだけに得意技を絞り込むのも一苦労。色々紹介したい…と技術を詰め込めば詰め込むほどドツボにハマってしまう悪循環。

『デザインのひきだし創刊50記念特別号』記念すべき50号ということで、盛大にお祝いした気持ちをシールで表現しちゃおうぜ!ということで一致団結。当社のコア技術「超高精度印刷」と「複合抜き加工」にシンプルに焦点を絞り実製作はスタートを切った。

『デザインってどうするんですか?』
と呑気に現れた新人広報ワタクシ。絵を得意とするワタクシに社長と工場長が目を光らせた。

社長&工場長:「『デザインのひきだし』に名前載せちゃいなよ」

広報:「え、本当に私でいいんですか?!」




突然のメジャーデビューに喜びで目が丸くなったものの、瞬時にコトの重大さに気づき動揺が込み上げてきた。

「こんな機会滅多にないぞ〜」とそそのかす悪ノリ工場長。気持ちの勢いに任せて、やります!と言おうとしたその時。


「ただ、失敗は許されないよ。不慣れな出張も重なるタイミングで、本当にやりきれる?」と社長から無駄なプレッシャーをかけられてしまった。



(デザインをイチから考え、細部まで描き込んだほうが良くなるとは聞くけど、時間的に大丈夫かな…というか新人でデザイン実務なんてしたことない私が会社の代表で作品出して大丈夫…?)と、不安はつのったものの好奇心の圧勝!

翌日、社長に「こんな機会はめったにないと思うのでやってみたいです!!!」と決意を伝え、デザインのひきだし50号の仕様について打ち合わせを開始。




社長:「今回は高精細オフセット印刷と複合抜き加工をテーマにする。新しく導入した製版技術もPRしたいからメチャクチャ細かく描き込まれたものが良いなぁ。のっぺりしたイラストじゃなくて細かな毛とか油彩っぽい質感みたいなの出したいんよな〜。」

と、社長は好き勝手伝えてきたが、ワタクシはその要望を噛み砕けず、色んな人にアドバイスを貰ってはデザイン案を提出する迷走の日々…。精根尽き果て途方に暮れそうになったので、改めて社長に相談することに。

ワタクシ(以下:ワ):「書き込まなきゃいけないならルーペを使って見てもらう『まちがい探し』とかどうですかね?」

社長(以下:社):『いや、読者の誰もがルーペ持ってるわけじゃないじゃん。』

と社長の冷酷なツッコミ。「確かに…」納得は出来るものの渾身のアイデアもボツにされ、何も決まらないお先真っ暗の状態に。

社:「そういえば昨日絵を描く人の動画を見ていたんだけど、AdobeのFrescoで筆タッチの絵がかけるらしいよ。」

ナイスヒント!思考停止状態でとりあえず教えてもらったAdobe Frescoをインストール!

ワ:「シールといえばキャラクターものが多いですよね!?何か可愛いキャラクター作って創刊50号の節目をお祝いする気持ちを届けるってのはどうでしょう?」

社:『いいんじゃない〜??でもキャラクターはどうするの?』

ワ:「性別関係なく親しんでいただけるような愛らしい宇宙怪獣とかどうでしょうか?」

スパァン!!!

畳み掛けるように事前に仕込んでいたラフのイラストを社長のデスクに滑り込ませた。




社:『おお〜いいねいいね。かわいいじゃん♪これさ〜モ⚫スターズイ⚫クのキャラクターみたいに毛並みとか描き込んだら今回目指す表現出来そうじゃん!』


ちなみに社長の推しはこの宇宙怪獣。


ドンッ!!


ワ:「(あんまり気に入っていないやつ選ばれた・・・)」


毛並みを描き込むという条件でOKを得られたものの、息抜き程度に描いたキャラが選ばれてしまうとは…という一抹の煮えきらなさはあったものの、めでたく宇宙怪獣が誕生した!

本音ではあまり気に入っていなかった宇宙怪獣も描き込むほどに愛着が湧いてくるから不思議なものだ。ワタクシが選んでほしかったキャラクターもボツにしたくなかったので、宇宙怪獣のペットというコンセプトで目をニョキッと伸ばした子たちも配置することに。かくしてキャラクター設定は完了。あとは、描きこんでいくだけ。




しかし、この時『毛並みを描き込む』という大前提が大きな壁となって立ちはだかることになろうとは…


設定が決まってから数日が経ち、お盆が間近に迫ってきた。私達シール印刷業界はお盆前が繁忙期。
皆慌ただしい日々を送っている中、迫りくる締切のプレッシャーを感じながらもなかなか手を付けられずにいた。そんなワタクシの気持ちを知ってか知らずか、

社:『デザインをお盆までには確実に終わらせなきゃいけないけど間に合う?17日にはもう出荷と納品しないと間に合わないけど。今どうなってんの?』


ここで自分のタスク管理が甘かったことが現実味を帯び始める。

広:「すみません、自分の管理不足でしたっ!でも何が何でも必ず仕上げますので!!」


納期は厳守しなければならず、印刷・加工現場もデザインの入稿を待っている。
入社して半年も経たないうちに自分から引き受けにいった仕事で大失態をしてしまうかもと焦っているワタクシに救いの手。

社:『ひとまず、SNSの投稿は俺がやっておくから、心置きなく絵に集中していいよ!ちなみに何日でできそう?』


広:「来週の半ばまでには入稿します!」


社長の協力が得られたことで1週間机に向かうことを許されたが、果たして無事納期に間に合わせることができるのか、このあと待っている怒涛のハプニングが待ち受けているとは知る由もなかったのだ…




つづく


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